修学旅行

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全ての生徒が集まって、確認をした結果。 いないのは二年C組の井上翔馬と杉本旬の二人だけで、残りの生徒と引率の教師は全員無事だった。 「えらいことになりましたね」 A組の担任の金丸が武政に話しかける。 「ええ、まさかこんな時に限って大きな地震が来るなんて」 「テレビで観てましたが、あっちこっちで崩落事故が起きていて、建物の倒壊もかなりのようです」 「そうですか」 この周辺は頑丈そうな建物ばかりで、これといった被害は見受けられない。 「ここのホテルは頑丈そうなので、きっと大丈夫でしょう」 「そうですね」 後は自分の担任している生徒が、無事でいてくれれば何の問題もないのだが……。 「あっ、帰ってきました!」 誰かが叫んだので、武政はそっちを見た。 スノーモービルが二台こっちに向かっている。 頼む。無事でいてくれよ。 武政は心から願った。
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