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堀川と内村は正式には、スノータウンホテルの従業員である。
でも、その仕事の大半がゲレンデのスタッフとしての作業で、メインはスキーやスノーボードのインストラクターなのだけど、こういった災害の時には、その対応にもあたるのだ。
遭難者が出たり、雪崩が発生したりしたことも過去にはあって、そういう時は、スノータウンホテルの一階のスタッフルームが災害対策本部になる。
「あれ?」
ホテルの入り口に戻ったのに、スタッフの誰も出迎えに来ていない。こういった時には、スタッフの全員が自分たちの帰りを待ちわびているはずなのだが……。
「帰りました」
堀川はすぐに災害対策本部になっているスタッフルームに駆け込んだ。
「おお、帰ったか。要救助者の様子は?」
待機していた渡部が視線を上げる。
「はい。とりあえず搬送してきました。今は内村がみてくれてます。それより、どうかしたんですか?」
「どうもこうも、これを観ろ」
渡部が指さした先のテレビには、ヘリコプターからの空撮による、大規模な範囲で崩壊したビルや住宅が映っていた。
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