修学旅行

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「すみません! うちの生徒は?」 武政が駆け込んできた。 「先生!」 翔馬が叫ぶ。 「おお、井上。杉本は?」 「はい。大丈夫です。今、意識を取り戻しました」 「杉本大丈夫か?」 武政が歩み寄った。 「先生、大丈夫です」 旬が体を起こして答える。 「そうか、良かった」 武政はホッと息を吐き出した。 「どうしましょう。病院に連れて行った方が良いですかね?」 渡部が武政に聞く。 「そうですねぇ、おい杉本、どこかおかしいところはあるのか?」 「いえ、特には……」 旬は自分の身体を見ながら答えた。 「今、地震で町の方が酷いことになってまして、救急車もここには来れないらしく、もし病院に行くなら、我々が車を出しますので」 「そうですか……。それは有難うございます。じゃあ杉本、少しでもオカシイと思ったら申し出る様に、いいな」 「はい」 とりあえず様子を見るということで、三人は他の生徒と合流をすることにした。
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