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「あ~~~もう、何なのよいったい。せっかく上手くいってたのに、何で地震なんか来るのよ~~~」
香里は部屋に戻るなり、スキーウエアのままベッドに倒れむ。
「そうだね」
朋佳はウエアを脱ぎながら、香里を見た。
「だいたい何なのよアイツ」
「え?」
「井上くんといつも一緒にいるアイツだよ」
香里が体を起こして朋佳を見る。
「ああ、確か杉本だったっけ?」
「アイツのせいで、結局井上くんからLineのIDとか聞けなかったじゃん」
「ああ、そういうことか」
「マジでムカつく」
頬を膨らます香里を見て、朋佳はフッと微笑んだ。
その笑みには、色んな感情が混じっている。
それは、親友の香里に彼氏が出来るように応援してやりたい気持ちだったり、でも、彼氏が出来てしまったら、彼氏中心になって、今まで通りに遊んだり出来なくなるのが寂しいから、彼氏なんて作ってほしくないという思いだったり、
自分に彼氏がいないのに、先に香里に彼氏が出来るのが妬ましいので、とりあえず上手く行かなくてホッとしたことだったりだ。
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