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今日は二人が通う橘高校二年生の修学旅行なのだ。
昨年、一昨年と二年続けて修学旅行中に問題を起こした生徒がいたものだから、学校とPTAが修学旅行の見直しを始めた。
その会議の席上で、バブル期に高校生だった父親世代と教師たちが、自分たちの頃には修学旅行といえばスキーツアーだったと盛り上がり、今年はスキーツアーになったのである。
なんせこんな山奥のスキー場だから、当然繁華街などなく、問題を起こしようがない。
引率の教師も楽という理由で、生徒側の反対の主張は聞き入れてもらえなかった。
ほとんどの生徒が文句を言う中で、翔馬は楽しみにしていた。
なぜなら毎年のように父親に雪山に連れて行かれていて、スノーボードはプロ級の腕前であり、スノーボード自体も楽しいうえに、それを友達にひけらかせることが出来る。
「あのぉ……井上くん」
振り向くと隣のクラスの女の子が二人。二人とも地味目の目立たない子だが、そのうち一人は可愛いくて割と人気のある子だった。
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