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リフトで上まで上がると、さっきまで文句を言っていた旬も、ちゃっかりついて来ている。
「何だよオマエ。もうスノボはしないんじゃなかったのかよ?」
「え?」
「だってさっき、ホテルに帰ってゲームがしたいって言ってたじゃん」
「いや、そりゃそうだけど」
「俺は彼女たちの指導をするから、悪いけど一緒には滑れないぞ」
ちょっと意地が悪いかなぁとは思ったけど、旬だって立派なライバルだ。せっかくのチャンスに足を引っ張られたくない。
「何だよそれ」
「じゃあ下村さんと、えーと……」
旬を無視して朋佳に話しかける。
「香里です。大寺香里。ちなみに私は下村朋佳」
「ああ、下村さんは知ってる」
「えっ、そうなの? 一緒のクラスになったことないのに、何だか嬉しいなぁ」
(マジか!)
女の子と会話をしたことがないから良く分からないけど、自分に好意を持ってくれているような気がする。
それとも、女の子ってこういうものなのだろうか?
もしそうなら、勘違い男っていうことで恥ずかしい。
翔馬にとって身近な女性といえば、45歳の母親とまだ小学生の妹くらいだから、そのあたりもよく分からなかった。
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