修学旅行

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しかし案の定、勘違いであったことは、殊の外早く分かってしまった。 「何よ。分かってるってば、盗るわけないでしょ。アンタに協力して誘ってあげてるのに」 香里が肘で朋佳を突き、それに対して朋佳が、こっちにまで聞こえる声で言い放ったのだ。 これって恋愛未経験の翔馬にだって、香里が自分に好意を持っていて、朋佳が香里のために自分にスノボのコーチを頼んだってことが分かる。 「あの……。そろそろ始めようか」 ガッカリ感が大きすぎて、何だかいたたまれなくなってしまった。 「はい。お願いします。ほら、ちゃんと前に出て教えてもらいなよ」 朋佳が香里の身体を押す。 「分かってるってば」 香里はもじもじしながら朋佳に文句を言った。 「じゃあまずは正しい転び方からね」 「えっ、転び方?」 「そうそう。それが一番大事。柔道の受け身と一緒で、ケガをしない転び方をマスターしないとね」 「はい」 翔馬としては掴みのジョークだったのだが、香里は真剣な顔で頷いた。
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