始まりはアトピーさ いや浪人さ

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その頃、私は、手持ちの塗り薬でアトピーに対応していました。ステロイドという成分の入った塗り薬で、アトピーにはよく用いられます。小さな頃、それこそアトピーがひどくて手がつけられなかった頃は、漢方薬を試したこともありましたが高いわ苦いわ効かないわで、漢方はもういい、と思っていたんです。が。 とにかく今も痒いしステロイドも効かないし、これじゃあ勉強にも集中できん、というわけで、藁にもすがる思いで再度漢方に願いを託すことといたしました。 ところで私は、粉薬が一切飲めません。子供か!と思われてしまうと思いますが、細粒だろうが顆粒だろうが、多かろうが少なかろうが飲めません。 仕方がないのでオブラートを購入したのですが、漢方がとにかく多い。一日二回、二包ずつ飲まなければならなかったのですが、一包の量からしてすでに多く、オブラート三枚分に分けて飲まなくてはなりませんでした。しかも漢方は食前薬なので、食事をする前にお腹は水でたぷんたぷん、という日々が始まりました。 これもアトピー撃退のため。絶対によくなってやる!という、謎の断固たる決意が生まれました(笑) 今にして思えば、何を大袈裟なと思いますが、当時は痒くてしょうがなかったのだと思います。それはもう、日常生活を妨げるほどに。かさぶたになるまもなく掻いてしまうので、常に全身がじゅくじゅくとしていました。それは断固たる決意も生まれるか。 しかも、この先さらに追い討ちをかける事態が起きてきます。 ステロイドを断ったため、リバウンドが発生してしまったんです。 ステロイドとは、起きている炎症の上から無理矢理蓋をするような成分で、その効果が消えたとき、全身がさらにさらに痒くなってしまいました。
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