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1→始まりは突然訪れる
「そこのお姉さん。
俺達、今ちょうど暇なんだよねー。
ちょっと遊ばない?」
夜の街は昼間とは顔を変え、妖しい雰囲気を醸し出す。
とある路地裏。
金髪と明るい茶髪の2人組が女性に声を掛けていた。
「うーん。
今日は遠慮しておこうかな?」
やんわりと断った彼女に肩を組み、「そんな事言わずに、ねぇ?」と尚もしつこく言い寄る金髪。
「あたしの言ったこと聞いてた?
アンタ達みたいなの、本っ当にウザいんだけど。」
女性の口から零れた声は、華やかな容姿には似つかわしくない言葉だった。
「このッ…アマァッ!!」
殴りかかった先には誰もおらず、背後から「ガハッ!」と聞こえた。
振り返った先には地面に倒れている茶髪。
「あーあ。
せっかく断っておいて“あげた”のに。」
次の瞬間、彼の意識は暗転した。
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