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俺の名前は、長谷部安夫。
しがない(?)公務員だ。
俺には…
『誰にもいえない秘密の趣味』が有る。
それは…
『妻を殺す方法』をあれこれと『妄想』する事。
俺の妻、恭子はいわゆる、オニ嫁だ。
元々、職場の上司が世話して来た縁談話を俺は断る事ができず、お見合いをして気付いたら結婚していた。
恭子は新婚当初こそ、従順なソブリを見せていたものの、月日が経つにつれ徐々にその『本性』を現し始めた。
家事をほとんどやらず、
何かと言えば、文句ばかり言って、場合によっては暴力も振るう時も有る。
俺は…
何度も離婚を考えた。
が…
それだけは、彼女にとって、どうやら『屈辱』らしく…
「良い?!
私は絶対に離婚しないからね。どうしても別れたいんなら、裁判起こして慰謝料請求してやるから!」
と、息巻いた。
まあ、妻に強く言えない俺にも問題は有るのだが…
そういう訳で、
俺はいつしか、暇な時間が出来ると、恭子を殺す方法をあれこれと妄想するようになった。
(もちろん、あくまでも妄想での話だ)
刺殺、撲殺、絞殺、毒殺…。
そして…
その妄想をしている間の時間は、俺にとっての『安らぎの時間』となり…
妄想をする事こそが、
俺にとっての『趣味』となっていった。
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