第1章

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目的地は京急油壺マリンパークだ。イルカのショーを3歳になる夏美に見せてあげたかった。 帰りは三崎のうまいマグマを食べる。今から楽しみだった。 左にちょこんと座る夏美に語りかける。 「イルカさん、好きでしょう。もうすぐ見れるよ」 夏美が顔を向け微笑む。 「あらー、可愛いお嬢さんですね。こんにちは~」 向かいの席にいたおばあちゃんが夏美に声を掛けてきた。 戸塚は、おばあちゃんに会釈をした。 これ以上話しかけて欲しくなかったのだが話相手が欲しいのか おばあちゃんがしきりに夏美に話しかけていた。 お名前は?何処から来たの?何歳? 数分後、おばあちゃんは異変を感じとったのか夏美に話しかけるのをやめた。 いつものことだ。そう割り切ろうとするがやりきれない思いが湧き上がった。
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