第1章

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あれからもう一年になる。いずれ来るともわからない奈美からの連絡を待ち続け夏美との父子の二人ぐらしを続けて来た。 奈美との籍は入ったままだ。 あれからこの油壺マリンパークに来ることはなかった。 怖かった。なぜここで奈美が姿を消したのか触れてはいけない気がした。とても踏み込めなかった。 気持ちの整理が付かなかった。 しかし、今日はこの中途半端な気持ちにけりをつけるために向っていた。今日が終わったら気持ちを切り替え、奈美がいない生活を受け入れる。これから二人で生きていくことを、病んでしまった夏美を受け入れる。そう決めていた。
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