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部署を移動させることで売り上げの話は聞かずに済むと思ったし周囲に誰かいると遠慮がちになるのを減らすことができた。
そうすることで彼の心を同調させることができなくても会社での主従関係や言葉で説得することで状況を変えることができた。
地元の議員や有力者などの会合に同席した後、彼に意見を求めると社会の問題点やそれをいかに解決するか等、より規模の大きい重要な話を聞くことができた。
次第に私の方が彼の考え方に同調するような感じになっていった。
そしてあらためて私は人々の心を同調させる能力について真摯に向かい合った。この能力をこの世界の人々のために使うことが私の使命なのではないのかと考え始めた。
私は政治家を志すことに決めた。そして彼をこのまま政治家としての秘書とするのか、彼自身にも政治家になってもらうのかを選択させることにした。
彼は冷静な判断で自分自身の経歴のことや人脈のなさで苦労するくらいなら私を陰で支えて確実に政治を動かすことができればその方が良いと言った。
そこで私はもう一つの覚悟を決めた。私の能力のことを彼に明かすことにしたのである。
私は自分の能力のことを他人に打ち明けたことがなかったためか口籠ってしまい当初は上手く伝えることができなかったのだが少しずつ実際に目の前で見せることで信じてもらうことができた。
普段冷静な彼も面食らった様子だったが割とすぐに受け入れた上で能力の詳細を知りたがり、私自身もわからない部分があったので色々な場所で実験や実践を重ねることで自分に可能なことや不可能なことが明確になっていった。そして彼は能力の詳細や性質を理解した上でそのアドバイスも的確で具体的なものになっていった。
それから更に時が経過していくにつれて順調に政界進出への計画や準備が進んでいった。
様々な話し合いや試行錯誤の末に私はどこかの政党に所属するのではなく、最初から政治政党を結党し、党の中心となって行動した方が良いという結論に至った。
私以外にも10人の有志を集めることができ、あとはタイミングを待つばかりとなった。
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