快楽を売る商人

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それが終わると関岡が契約書を出してきた。 「さあ、ここにサインをお願いします。それで最後です。これにサインをしていただければ、明後日には貫井様の好みの彼女が届きます」とにこやかに言いながら契約書を聡の前に提示する。 聡は契約書を読みサインする。 契約書には変わったことは書いていない。 代金はお客様の身体で支払ってもらいますと書かれてあった。 聡は、関岡にその事を聞いた。 「この代金を身体で払うってどういうことなのかな」 「はい貫井様、実は私どもは実験をしているのですが、そのモニターに貫井様が選ばれたのです。ですから、代金はいりません。その代りに彼女を抱いてほしいのです」と言う。 聡は面食らった顔をしていた。 「彼女を抱くだけでいいのか。お金はいらないのか。ではこれは何の実験なのか教えてくれないか」と聞いてみる。 これは彼女がお客様を満足させられるかどうかの実験です。 ですから、もし、貫井様が彼女を気に入られてほしいと言われれば、彼女は貫井様のものになります」と関岡が言う。貫井はそれを聞いてほくそ笑んだ。 ただなら貰っておこうダッチワイフをと思った。 二日後、聡のもとに大きな包みが届いた。 渡辺会社からだった。 聡はさっそく中を開けてみた。 すると中から黒髪の美しい女性が出てきたのを見て聡は驚いた。 どう見てもダッチワイフには見えなかったのだ。 本物の人間の女性に見えた。 女性は起き上がると「私は、りえと言います」と声を出す。 その声も滑らかで機械じみていない。 聡は顔を赤らめて、「始めまして、僕聡と言います」と言うと頭を下げる。 りえは、すくっと立ち上がると箱から出てきた。 その姿を見て聡は驚いた。 全裸だからだ。 りえは色白の滑らかな肌をしていた。 聡は思わず喉を鳴らした。 そして、ゆっくりと聡の手がりえの首筋へと伸びていきなぞり始める。 りえはゆっくりと目を閉じる。
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