第3話  

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それからは4人テーブルを囲んで いろんな話をし、お酒をまじえて 目の前に並べられた料理をつまむ。 隣には上機嫌な夫。 『これ、旨いだろ?俺もオススメ!』 そう言って私の作った料理を 後輩夫婦にすすめている。 すると、後輩の朱里さんが 『藤原さんって幸せですよね! 奥さん美人だし料理は上手だし お部屋だって綺麗にされてる。』 そう言って私をべた褒めしたのに 便乗して、光さんまでが 『本当ですよ~。羨ましいっす。 でも俺は朱里がいいっす。 藤原さん、すいません。』 と、結局自分の奥さんが一番発言。 『ははっ。馬鹿かお前、当たり前だ。』 それに対して笑っている夫。 今まで見たことのない、楽しそうな夫。 これが本当の夫なのかと… これが本当に夫の本心なのかと… 夫に初めて認められて 人前で料理を褒められて こんな状況で嬉しくないはずがない。
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