第3話  

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そして、真っ直ぐに私を見つめて 光さんは話を続ける。 『仕事はできるし 奥さん想いで、優しい、そんな 章斗さんみたいな旦那様がほしいと。 だから俺は章斗さんを尊敬してるし 朱里の理想の夫になりたいと 思ってるんです。』 ......ちょっと、びっくりした。 いや、それ以前にびっくりすることは 今時点であるわけだけれども。 でも、光さんが言う“憧れ”とは 男性としてではなく、 人間としての“憧れ”であったこと。 やっぱり心のどこかでは そう、言われて頭を過ぎったのは 夫の不倫相手。 名字も“長谷川”だったから ちょっと不審には思っていたけれど .............。
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