ある日、突然

4/12
前へ
/18ページ
次へ
桜は、入学式の時に咲く。 それは、東京生まれの次郎にとって当たり前のことだった。だから大学進学の為、北海道に来た時は自分の目を疑った。 「冬……?」 雪自体は、溶けかかった小さな塊がちらほらとあるくらいだ。けれど、緑がほとんどない。自然の色と言えば、空の青くらいか。四月になったのに、この目に寂しい感じは何なのか。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加