第1章

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食器を洗いながら、パパがお風呂に入っていったのを確認して、おもちゃのガスマスクを外した。 リビングの電話を手に取り番号を押す。 「ママ~、うまくいったよ!パパタバコやめるって!!ご飯も薄めにしても完食だったよ!ママと作戦立てて良かったね~。ご飯ママの分もあるから早く帰ってきてね。」 仕事中のママに、簡単な結果報告の留守電を入れて電話を切り、食器洗いを再開する。 パパの健康診断の数値がメタボ手前の崖っぷちなのだとママに聞かされたのは数日前のこと。 それから二人でパパを健康にするにはどうしたら良いのか話し合って、まずは禁煙と減塩を促すことから取りかかることにした。 2ヶ月くらい前に学校でもらったプリントと通販で買ったおもちゃのガスマスクと100均のホワイトボード用意し、ママや家庭科の先生に相談してご飯のメニューを決めた。 最初はママも一緒にガスマスクでという作戦だった。 けれど、流石にそれはわざとらしくなるからと、ママが仕事で遅くなる今日私一人で作戦を実行することになったのだった。 一人で全部の料理をするのは大変だったし、おもちゃのガスマスクは暑いし、パパを毒だとか言うのは凄く可哀想だったけれど、最後はパパが美味しいって笑ってくれて嬉しかった。 来週のご飯は何にしようかな~なんて考えているうちに食器も洗い終わっていた。 全部終わったんだと思うと、一気にぐったりと疲れて眠くなる。 明日は朝からお掃除だし、ホワイトボードにパパとママ宛にメッセージを残して先に眠ることにした。
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