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湊の狙い通りこのホテルの社長である口うるさい母もいない。手足を伸ばして眠れるはずだ。
「坊ちゃん、1012号室をご用意しました。」
ご丁寧に鍵をポーターに渡す。ため息。少し憂鬱な思いで手近にあったスーツケースを手に取ろうとしたところそれを素早く横取りされた。
「お持ちいたします。」
ホント、仕事熱心だ・・・。鑑だね、ホテルマンの・・・。
再びため息。ポーターの後について歩く。目にも止まらない速さのエレベーターに乗るとあっという間に10階に着いた。
「こちらです。」
1012号室の鍵を開け、ポーターは荷物を部屋に運び込んだ。驚いたことにツインだった。
シングルユースなのに・・・。
当然支配人の気配りなのだが逆に湊は憂鬱がひどくなった。
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