――1章 Prologue

2/42
48人が本棚に入れています
本棚に追加
/631ページ
◇ ◇――環菜 1年前。 「お疲れ。」  女の子が集まる部室はいつも通りにぎやかだった。あたしは自分のロッカーから着替えを取り出しながら鏡を見る。 よし。  シャワーを浴びてさっぱりした顔はどことなくうきうきしている。それもそうだ。この後のお楽しみが待っているから。 「環菜、平田屋行くけど、どう?」 「ごめん。」 「何?何?彼氏とデート?うらやましー。」  部室の中があっという間に恋バナで盛り上がる。  あたしの彼氏、佐伯将人はバス停で5つ程先にある男子校、杉沢学院に通っている。なぜ男子校に通う将人と付き合い始めたのか。  話せば長いことながら・・・ちょっと付き合ってもらうことにしよう。
/631ページ

最初のコメントを投稿しよう!