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全体的に色素が薄く、あまり家に帰って来ない父の好みに合わせて白や淡い色合いの服を着ていた母。整いすぎて人形のようだと思ったが、それがあながち間違っていないと知ったのは小学生になった頃だった。
……父には別の、いや、本当の家族がいる事。母が『愛人』や『妾』と呼ばれる存在だという事。
大人からはこっそりと、そして同級生からは悪気なく批難された。そう、悪いのは『正しい家族』ではない自分なのだと言わんばかりに、遠慮無く罵られた。
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