プロローグ

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早生からの言葉は確かに以前、自分が相手に電話で言ったものだ。改めて聞かされると恥ずかしいがそもそもその時、日向は相手の恋愛相談に乗っていたのである。 それなのに、どうして――再びの疑問は、けれど再び早生の唇によって塞がれてしまった。 刹那、感触を飛び越えてビールの味がしたのは、一緒に飲んでいた相手の舌が挿し込まれたからで。 初めてキスした日に、ディープまでってどうなんだ――この時はまだ、そんな馬鹿な事を思う余裕があった。
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