2章「再開は憎しみ」

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私は話を変えようと話し出す。 「他の生徒たちなかなか出てこないね」 「僕の能力で扉を頑丈に閉じておいた。一応、アナウンスも仲間に頼んで入れておいてもらったよ。時間も止まっているから大丈夫。あとは僕らが外に出ればすべて元通りだよ……あっ、来た」 「あれ?終わっちゃたみたいね。モナコちゃんさすがぁ♪」と青いフードに茶髪の女の子が言う。 「私じゃない。谷本とか王茂とかいうクソ女まし」 「やっぱり生きてたんだ。あ、新人さん、よろしく。私は七丘晴美(ななおかはるみ)、背が低いけどこれでも三十代だから……嘗めたら地獄行きよ。それとあそこで白いお面を付けた輩にゴミ箱からゴミを無理矢理食わせてるのは大橋信(おおはしまこと)。無口だけどいい人よ」 彼女は緑色のフードを着てる男を指差して言う。 「ゴミ食わせてるところでいい人じゃないような……」 「あ……彼、私の夫だから……で何か言ったかな?」  怖いオーラが漂っている。 「……いえ、何も申しておりません」 「なら、いいわ」 「さて、あいつが来る前にここを移動しなくてはね?」 「そうましね」 私の腹のあたりまでしか背がない七丘さんとモナコさんがそうやり取りする。あいつとは一体…… 。私たちは建物がつながっていて外に出やすい通路を足早にして進んでいった。しばらくして私たちは大学の駐車場に出ていた。 「あれに乗るぞ」 そこには見たことのない黒い車が止まっていた。私は一番後ろの扉を開けモナコさんと共に座る。前を見ると大橋さんが座っていた。回転するイスのようだ。彼は私の顔を見るなり笑顔でこっちを見た。その顔にはさっきまでゴミを食わせていたイメージを破壊するほどの心が和やかになる笑顔だった。 「我らのアジトへ行くわよ」 大橋さんの横に座ってる七丘さんが運転手に向かって言う。 「へい、お待ち」 「彼は星野愁(ほしのしゅう)だよ」 コイトスは椅子と椅子のすき間に丸くなっていた。タイヤが地面に触れる感覚がしない。 「あの……出発しないんですか」 その答えに大橋さんが窓を指差す。道が動いていた。どうやら出発していたようだった。 「この車はタイヤで走るんじゃなくて飛んでるんだよ」 コイトスが付け加える。
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