5人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうやって?」
「うちらにしか出来ない術で……」
「あぁ、無命線か」
「あの……」
急にモナコさんが赤面して話出す。
「その手相のこと笑ってごめんなさいまし。嫌でしたよねまし。でも私、仲間がまた増えて良かったんですまし……ってお兄さんまし」
彼女の頭に手を乗せる。
「俺も同じだよ。コイトスが告げてくれなかったら俺は一人だと思ってた。だから気にすんな」
「恥ずかしいからやめて下さいまし」
彼女は私の手を振り払う。
「そういえばモナコさんって何でましって語尾付けるの?」
そう簡単に聞いただけなのに彼女の頬に一筋の涙がこぼれ落ちた。
「女の子には聞いて欲しくないことがあるものよ」
七丘さんはそう言い、大橋さんは首を縦に何回もうなづく。そういうものか。
「姉御たち、アジトに着いたっす」
「あら、御苦労」
私たちは車から降りる。
五階建ての建物のようだ。薄茶色のようなその建物。
その玄関に私は入る。入口にある鈴が鳴り出す。
「総長たちがお帰りになられたぞ!!」
中からその声が聞こえた。すると近くに人が集まる。
「やぁ、諸君。ここに新たな仲間を紹介する。では、その彼からどうぞ」
どうぞって言われても。周りの人々の視線が気になる。
「全くもうですまし。自分の名前とか簡単に自己紹介すればいいまし」と私にしか聞こえないように小声でモナコさんは言う。
「私は秋上成助と言います。大学生です。未熟者ながらお世話になります。はい」
「そう、固くならなくていいんだよ。ここのみんなは優しいギルドであり、仲間であり、友人であり、家族なんだから」とコイトスは言う。
「総長の言う通りよ……さぁ、みんな、宴よ!!」と七丘さん。
「……とその前に。藤井モナコ!!」とコイトス。
「ひゃいまし!?」と驚いて変な声で彼女は返事する。
「今日から君は秋上君のナビゲーター役に任命する。つまり外に出る際は共に過ごせ!!それがお前が彼に説明せずに技を使用した罰だ。大学にもだぞ」
おいおい、この子は中学生だぞ?いくら何でも……。
「了解まし」
ほら、断れた……って……えぇ?
彼女に聞いてみる。
「君の学校はどうするの?」
「私は学校に出てるまし。でも、あなたのナビゲートもするですまし」
彼女の言っている意味が分からなかった。
「細かい話はいいじゃないの?」と七丘さんに促された。
最初のコメントを投稿しよう!