2章「再開は憎しみ」

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「どうやって?」 「うちらにしか出来ない術で……」 「あぁ、無命線か」 「あの……」 急にモナコさんが赤面して話出す。 「その手相のこと笑ってごめんなさいまし。嫌でしたよねまし。でも私、仲間がまた増えて良かったんですまし……ってお兄さんまし」 彼女の頭に手を乗せる。 「俺も同じだよ。コイトスが告げてくれなかったら俺は一人だと思ってた。だから気にすんな」 「恥ずかしいからやめて下さいまし」 彼女は私の手を振り払う。 「そういえばモナコさんって何でましって語尾付けるの?」 そう簡単に聞いただけなのに彼女の頬に一筋の涙がこぼれ落ちた。 「女の子には聞いて欲しくないことがあるものよ」 七丘さんはそう言い、大橋さんは首を縦に何回もうなづく。そういうものか。 「姉御たち、アジトに着いたっす」 「あら、御苦労」 私たちは車から降りる。 五階建ての建物のようだ。薄茶色のようなその建物。 その玄関に私は入る。入口にある鈴が鳴り出す。 「総長たちがお帰りになられたぞ!!」 中からその声が聞こえた。すると近くに人が集まる。 「やぁ、諸君。ここに新たな仲間を紹介する。では、その彼からどうぞ」 どうぞって言われても。周りの人々の視線が気になる。 「全くもうですまし。自分の名前とか簡単に自己紹介すればいいまし」と私にしか聞こえないように小声でモナコさんは言う。 「私は秋上成助と言います。大学生です。未熟者ながらお世話になります。はい」 「そう、固くならなくていいんだよ。ここのみんなは優しいギルドであり、仲間であり、友人であり、家族なんだから」とコイトスは言う。 「総長の言う通りよ……さぁ、みんな、宴よ!!」と七丘さん。 「……とその前に。藤井モナコ!!」とコイトス。 「ひゃいまし!?」と驚いて変な声で彼女は返事する。 「今日から君は秋上君のナビゲーター役に任命する。つまり外に出る際は共に過ごせ!!それがお前が彼に説明せずに技を使用した罰だ。大学にもだぞ」 おいおい、この子は中学生だぞ?いくら何でも……。 「了解まし」 ほら、断れた……って……えぇ? 彼女に聞いてみる。 「君の学校はどうするの?」 「私は学校に出てるまし。でも、あなたのナビゲートもするですまし」 彼女の言っている意味が分からなかった。 「細かい話はいいじゃないの?」と七丘さんに促された。
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