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「また明日、ヒナちゃん」
「あ、うん。海翔先生」
「ヒナとか馴れ馴れしく呼ぶな。
妃菜子も呼ばせるな。
……行くぞ」
「……うん」
陸哉に引っ張られていきながら、ひらひらと手を振ってる海翔先生に振り返って手を振り返す。
するとますます陸哉は機嫌が悪くなって、私の手首を痛いくらいに掴んだ。
お風呂に入って、手首をさする。
まだ、陸哉の手の感触が残ってる。
……海翔先生がうちの高校に赴任してきてから、大体毎日、あんな感じ。
私は海翔先生にいいように弄ばれ、陸哉はそういう海翔先生に怒ってて。
そんなふたりの間で私はどうしていいのかわからなくて、ぼんやりと立っているのだけれど。
このままじゃダメなこともわかっているのだけれど。
……自分の気持ちが、よくわからない。
「……はぁーっ」
ちゃぽん、身体の動きに合わせてお湯が揺れる。
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