恋敵眼鏡Brothers

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まるで私の心みたい。 ちゃぽん、ちゃぽん。 揺れる、お湯。 ちゃぽん、ちゃぽん。 揺れる、心。 「英語の質問、行ってくるね?」 「……俺が教えるからいいだろ」 ゆらり、陸哉の、黒縁眼鏡の奥の瞳が揺れる。 「あ、でも。 海翔先生にも用があるし」 「海翔先生じゃなくて高科先生」 レンズがなかったらきっと凍る、陸哉の視線。 「……高科先生にも用があるし」 「なんの、用?」 「追加の課題のプリント。 出しとかないと」 「……俺もついていく」 ガタ、椅子から陸哉が立ち上がる。
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