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「ヒナちゃん、また明日」
「……行くぞ」
陸哉に引き摺られて部屋を出る。
……あ。
結局質問、できなかった。
「妃菜子、もうあいつのところに行くのはやめろ」
鞄を取りに戻った教室。
怒ってる陸哉とふたりっきり。
「……でも。
海翔先生は私の英語、みてくれてるんだし」
「……海翔先生じゃなくて高科先生」
陸哉の声が少し、低くなる。
……海翔先生、そう呼んでいるのは学校内で私だけだ。
私にしか、許されていない。
……だって。
海翔先生は私の幼馴染みで陸哉のお兄ちゃん、だから。
私が海翔先生って呼ぶから、女子は結構、そう呼びたがるけど。
「これは妹限定だから。
ごめんね?」
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