成瀬美希1

7/13
前へ
/88ページ
次へ
「いらっしゃいませ。」 学生ぽい女の子が元気よく挨拶する。 雨のせいか、遅い時間のせいなのか、やはり客は少なかった。 静まり返った店内に1人足を踏み入れる。 カツカツ。 ヒールを高らかに鳴らし、カウンター席へと向かい、腰掛ける。 「いらっしゃいませ。こんばんは。」 カウンターの店員さんが私を見て穏やかに微笑む。 整った顔。 吸い込まれそうな程、綺麗な瞳。 「こんばんは。 私、ここでバイトしてる成瀬亜子の姉の美希っていいます。」 「あぁ…… やはり。 そうでしたか。 そうじゃないかとお店に入って来られた時に思いました。 何度かご友人を連れて来てくださった事がありますよね? いつもお世話になっております。 田崎と申します。」
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

93人が本棚に入れています
本棚に追加