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「いらっしゃいませ。」
学生ぽい女の子が元気よく挨拶する。
雨のせいか、遅い時間のせいなのか、やはり客は少なかった。
静まり返った店内に1人足を踏み入れる。
カツカツ。
ヒールを高らかに鳴らし、カウンター席へと向かい、腰掛ける。
「いらっしゃいませ。こんばんは。」
カウンターの店員さんが私を見て穏やかに微笑む。
整った顔。
吸い込まれそうな程、綺麗な瞳。
「こんばんは。
私、ここでバイトしてる成瀬亜子の姉の美希っていいます。」
「あぁ……
やはり。
そうでしたか。
そうじゃないかとお店に入って来られた時に思いました。
何度かご友人を連れて来てくださった事がありますよね?
いつもお世話になっております。
田崎と申します。」
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