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「何してるの?」とその子は静かに問いかけてきた。
私はその子がだんだん大人びてくるようなので少し怖くなった。
私は「飽き飽きしてるの、幸せすぎて」と応えた。
「やっぱり」男の子はそういったが、何がやっぱりなのか分からなかった。
その後私たちは黙り込んで、そのままじっとしていた。
そのうちゆっくりとその子は立ち上がった。
私はぼんやりと前を見ていた。
その子は何も言わずに歩いて行くので、私との距離はたちまち開いた。
でもそのすぐ後に私が飛ぶようにして追いかけたので、その子の背中はたちまち大きくなって、追いついた。
その子はもうしゃべらなくなってしまっていた。
私も口をつぐんで隣を進んだ。
時々あるのだ、こういうことが。
多分、その子も私と同じだ。
不安に苛まれていたら安心を求める。
だから、幸せにどっぷり浸っていたら、不幸を、求めたりするものだ。
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