第1章

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がたん、と電車が小さく叫んで、私はやっと目を開けた。 私の左側の海は、光を受けてチカチカしている。 私はそれをぼんやり見ながら、今日の朝何を食べたかを思い出す。 目玉焼き。 いや、それ以前に、何かを食べている。 そう、充足感だ、私は充足感を主食にしたのだった。 なんだかお腹いっぱいだ。 お腹が空いていると思うと眠れなくなるものだから、眠っていた私は確かに満腹だ。 がたん。 海はもう白にさえ見えるように、私の顔を照らす。
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