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「・・・お前さっき、金田に会ってたって言ったな?」
「ああ・・。問い詰めたら白状したよ。明日にでも出頭する」
「・・・嘘つくんじゃねぇよ・・。金田が?所長を?・・・そんな・・。」
石山は呆然としている。
「もったいぶった言い方をして悪かった。どう言えばいいかわからなくてな。」
「・・いや、別にいいけどよ・・。」
「この事務所がこれからどうなるかわからんが、とりあえず今日は、所長を偲んでこのセブン・スターを二人で吸い切ろう。」
「・・・セブン・スター・・?」
「ああ、言ってなかったか。この煙草、所長の形見分けなんだ。張り込みに出る時に持って出たものらしいんだが、車の中に忘れてあってな。張り込み場所では新しく買ったものを吸っていたんだろう。」
「・・・・・・。」
「・・・あぁ、実はコーヒーシロップの他にも仮説はあってな。例えばこの煙草。箱に入ってるうち1本のフィルターにでも仕込めば、タイムラグの謎にも合致するだろう?まぁ、金田が自供した今となってはハズレとわかるが。」
「・・・・・。」
「・・まぁ、他にも所長を殺そうとした奴がいなければ。な。」
久城は石山に煙草を差し出す。
「石山。・・・まぁもう1本吸えよ。」
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