純 倫 愛

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砂場で遊ぶ子供達を見守りながら、やっと今の大浦くんの現状について聞くことが出来た。 別れたあの日から、彼の漫画は一切読んではいない。 目にも触れないように、少年漫画類からは遠ざかっていた。 それくらい、大浦くんへの気持ちはまだずっと残っていた。 「最近は描いてない。東京にいる間はまだ続けていたんだ、細々とね。たいして売れなくて実家を手伝う事をずっと考えてた……」 「そう……」 残念だな。 ″Hiro Okamoto″ の漫画、いつかまた読みたいと思ってたし、 整備の傍らでも続けていて欲しかった。 「メイが産まれて、余計に安定した収入を得たかったんだよ、妻の稼ぎをあてにすることなく……」 「…それで、実家に戻ってきたの? つい最近?」 「うん。けど、町の整備工場なんて、さほど忙しくなくて、これで良かったのか分からなくなった」 淡々と話してるように見えても、大浦くんの目がどこか切なくて……。 寄り添いたくても出来ないもどかしさをも感じていた。
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