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″大浦です″
そう自己紹介したのは、間違いなく、四年前に東京で別れた、あの大浦純くんだった。
まさか、こんなところで再会するなんて……。
心臓がいつまでもバクバクしてた。
「皆、めいちゃんと仲良くしましょうねー」
保育士が園児に呼び掛けると、うちのひなたも含めて、みんな
「はーぁい!」
と元気よく返事をしていた。
その様子を見て、にこやかに笑う大浦くん。
優しい眼差しは、ちっとも変わってはいない。
……その視線に、私は入ってはなかった。
四年も経てば、数ヶ月だけ想い合った私のことなんて、パッと見ても分からないのかもしれない。
「あのお父さん、シングルなの?」
「いかにも東京の人って感じよねー」
そして、昔から目立つ彼の容姿は、園のママたちの間でも注目の的だ。
「あの人が役員するならしてもいいけどなー」
「いきなり新入りさんには無理でしょ?」
「だよねー」
私が瀬戸さんなら、ヤキモチ妬いてばかりかもしれない。
「役員してくださる保護者の方はくじ引きで決めたいと思いまーす」
部屋を見回したけれど、そこに瀬戸さんの姿はなかった。
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