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「あ、メイちゃん! お迎えに来られたわよ」
保育士の言葉にドキッとして、入り口の方をゆっくりと振り返った。
「こんにちはー、メイ、もう仲良しのお友達出来たんだね!」
そして。
その声の主が大浦くんではなくて、年配の女性だった事にホッとしたのと同時にガッカリする自分が居ることに気がつく。
「ばあーちゃん!!」
どうやら、大浦くんのお母さんのようだ。
メイちゃんがひなたにバイバイをして駆け寄って行った。
「大浦さん、給食のアレルギーのアンケート今日までだったんですけど、お持ちになってます?」
「それは私は受け取ってないわね、息子が持ってるかもしれないわ、…というか分かるのかね、あの子に」
「お母さんが持ってらっしゃるとかありませんか?」
保育士と彼のお母さんらしき人の会話に自然と耳を研ぎ澄ます私。
「それはないわー、あの嫁、男と一緒に海外で遊んでるから」
「え、男? 海外?」
「化粧品の会社が忙しいのを口実に遊びまくってるバカ嫁なのよ、子どもほったらかしにして」
「えー…そうなんですか?」
瀬戸さんの現在にショックを受けていた。
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