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そんな偽善に近い気持ちで、間違った道(倫)を行こうとするのは愚かなこと?
ーーブブブブ♪
【ごめんね。田丸さん、急でビックリしたかな?
でも、やっぱり会社以外で一緒に過ごす時間を持たないと結婚までは進まないと思うんだよね、だから明日にでも遊園地の返事聞かせて】
白石さんからの積極的なメッセージ。
……どうしよう?
瀬戸さんという存在を再認識し、
大浦くん以外に私を求めてくれる人が現れたのに。
純愛に近い気持ちであっても、貫き通すのは、やっぱり許される事じゃない。
そもそも、大浦くんから今も愛されているかわからないのに、
永遠に続く愛なんて、奇跡に等しいと悟っているのに、
……わかっているのに、
″トゥルルーーー……″
″トゥルルーー……″
私は、また、日陰の道を歩こうとしている。
そこに明るい光が見えないと知っていても、
定められた運命かのように、その倫を辿ろうとする。
「……もしもし、大浦くん?」
大浦くんの声を聞いて、
まるで少女みたいに心が戻っていくのを感じた。
″kouitirou & kyouka″
永遠の愛が彫られた置時計の、カチカチ……
という秒針が警告音 に聞こえる。それを封印するかのように、
そっと、机の引き出しに仕舞った。
「……少しなら会えるよ」
こんな私は、
間違っているでしょうか?
・。*・.。 ・。 ゜ Fin *・。.
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