ポップコーン

8/13
1053人が本棚に入れています
本棚に追加
/290ページ
「あーっ! そう、すごいカッコいい名字だなって思ったの覚えてるわ」 「名前負けしてたけどね」 「いやいや、そんなこと……」 「……思ってたんでしょ?」 「あはは、思うほど俺は派手な奴じゃなかったし!そーいえば、 陣内さんと俺、一回も一緒のクラスになったことなかったよね?」 周りの人がはけて、自然と二人きりになった館内。 「……あるよ」 私から席を立って退出しながらも、彼はまだ懐かしそうに話を続けた。 「え? いつ?」 「小学生のとき」 「覚えてないわ、それ。俺の記憶に残ってるの中学からだから」 「それは遅すぎない?」 「ないない」 大浦 純くん。 あなたは派手じゃなかったと言うけれど、結構女子に人気あったのよ? 私は殆ど口もきいたことなかったけれど……。 それに、彼女だっていたじゃない。 「陣内さんは、就職で東京にきたの?」
/290ページ

最初のコメントを投稿しよう!