3月2日

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「………実は。一目惚れした相手に、昨日手酷くフラれまして」 「えっ……?」 紗羽は呻くように言い、ゆっくりと両手で口元を覆った。 すぐには言葉も出ないぐらいびっくりしたらしい。 「ひ、一目惚れって……美生が?」 「うん」 「………ホンマに?」 「ホンマ」 肩をすくめながら頷くと、紗羽はハァ~と感心したような、風船から空気が抜けていくような長い相槌を打った。 「一目惚れって……見た目がドンピシャやったってこと?」 「………うーん」 私は考え込み、首を捻る。 確かに好きな顔ではあったけど……。 顔に惹かれた…って訳ではなかったよな……。  
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