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「何て言うか……雰囲気……かな」
「雰囲気?」
「うん。今まで周りにいたどの男の子達ともなんか空気が違ってて……。スゴい目を引かれたっていうか……。ちょっとした仕草とか表情とかにめっちゃドキッてして。……ああ、好きやなぁ…って、思ってん」
「ああ、まぁ……。醸し出す空気とか仕草とかに惹かれるっていうのは何となくわかるけど……。でも、手酷くフラれたっていうのはどういうこと?」
「……………」
その瞬間、またも昨日の忌々しい記憶が蘇り、ブチッとこめかみ辺りの血管が切れたような気がした。
ムッツリと黙り込むと、紗羽はあらー、と言って私の眉間を人差し指で突ついてきた。
「すっごいで。ここのシワ」
「……………」
瞑目して、私はそのシワを伸ばそうと眉間をゆっくりと上下にさすった。
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