3月2日

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ざわざわと賑やかな店内の中、私達二人の間にだけ少し沈黙が流れる。 半分になったカップの中のカフェモカに目を落としながら私は、そうかもしれないな、とぼんやりと思った。 腹が立つには違いないけど、その気もないのに弄ばれて捨てられるよりはいくらかマシだったのかもしれないと思うと、少しは溜飲も下がるような気がした。 「でも、それで合コンに行きたいって……ヤケになってるんとちゃうよね?」 心配そうな顔で紗羽にぐーっと下から顔を覗き込まれて、私は苦笑しながら手を左右に振った。 「ちゃうよちゃうよ。何て言うか……。ええキッカケになったんかなー…と思って」 「キッカケ?」 「うん。今まで何となく男の人のこと避けるように生活しとったけど、やっぱり彼氏おる友達とか見てたらええなぁって羨ましく思うし。……昨日、頑張ったらあんなに勇気出して行動に移せるんやーって、わかったし」  
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