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「ここの桜……切られた後、どうなっちゃったんですか？」
全てを拾い終わって缶の蓋を閉めた後、私はポツリと先生に尋ねた。
それを聞いた先生は、申し訳なさそうに眉尻を下げた。
「詳しくは知らへんの。私もここを離れて長いから……。ただ、伐採した時に、これが根元から出てきたって聞いただけで……」
「……そう……ですか」
「ごめんなさいね」
「いえ。……ありがとうございます」
同時に立ち上がり、私は先生にぺこりと頭を下げた。
これが私の手元に届いただけでも、充分だ。
木を切った業者さんが、これをゴミと扱わずに学校の先生に預けてくれた。
その時の先生が私のことを調べてくれて、後藤先生に連絡を取ってくれた。
……そして後藤先生が、私の為に今日これを届けに来てくれた……。
色んな人の優しさが連鎖して、一年の時を経てこれは私の元に届いたんだ……。
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