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朝のお天道様が俺のスポットとなる。
今日から通る春風が通うこの道は、俺のヴァージンロード…いや、シルクロード…うーん、花道と言っても過言ではない。
この道を真っ直ぐ歩くと、1つの建物がある。
校舎だ。
華やかな門にはこう書かれている。
清翔学園。
目の前に広がるお城のような学園こそ、俺が教師になるのにふさわしい学園だ。
職員室に入ると、ガヤガヤしていた。
そうか。俺のエリート的な雰囲気に驚いてるのか。
「先生が、3年A組の担任ですか。」
隣の席の、若い女教師が尋ねる。
たぶん、去年からいる先生だろう。
「はい、そうですが。」
「頑張ってください!」
なんだ、なんだ、問題クラスか。
面白いじゃないか。
ま、俺の特別授業、決めてやるか。
キーンコーンカーンコーン
ガラッ。中に入ると、生徒達が、こちらを見る。
1つ深呼吸をし、大きく口を開ける。
「今日から、このクラスの担任になった、桜庭だ。よろしく!」
きまった!
しかし、それと同時に気づいてしまった。
クラスの3分の1の席が空席のことに。
一気に妄想が膨らむ。
ボイコットか?不登校か?
やってやろうじゃねぇか。
少しワクワクした気分を隠し、尋ねる。
「あれ、他の空いてる席は?」
「じ、実は…」
メガネをかけた学級委員のような女の子が手を少し上げて、言いにくそうに言った。
「なんだ?」
「せ、先生が来たばかりで言いにくいことなんですが。」
その表情はまさに、このクラスに問題があることを語っているようだった。
きたきた。
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