第1話 ハードボイルド先生、登場

3/3
前へ
/4ページ
次へ
「インフルエンザです。」 「え?」 その頭が真っ白になったとき、教頭がドアを開け、俺を呼んだ。 「今日は、学級閉鎖になったので生徒を帰らせてください。」 「え?」 ちょっと、待て。 別に問題があったわけじゃなく、ただ感染症に弱かっただけ… 俺は額に、一雫汗が流れた。 人生、こんなもんだ。 俺は職員室の席に着き足を組む。 コーヒーを香り、一口飲む。 俺のようなハードボイルドには、ブラックが1番だ。香りと言い、味といい、俺にぴったりだ。 そして、タバコを取り出す。これまた、ハードボイルドで決める。 俺はパイプ式だ。 私物のパイプを取り出し、一服しようと口にくわえる。 「先生、校内禁煙ですよ?」 教頭の冷たい視線がこちらに向かう。 「あ…」 ま、人生こんなもんだ。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加