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「インフルエンザです。」
「え?」
その頭が真っ白になったとき、教頭がドアを開け、俺を呼んだ。
「今日は、学級閉鎖になったので生徒を帰らせてください。」
「え?」
ちょっと、待て。
別に問題があったわけじゃなく、ただ感染症に弱かっただけ…
俺は額に、一雫汗が流れた。
人生、こんなもんだ。
俺は職員室の席に着き足を組む。
コーヒーを香り、一口飲む。
俺のようなハードボイルドには、ブラックが1番だ。香りと言い、味といい、俺にぴったりだ。
そして、タバコを取り出す。これまた、ハードボイルドで決める。
俺はパイプ式だ。
私物のパイプを取り出し、一服しようと口にくわえる。
「先生、校内禁煙ですよ?」
教頭の冷たい視線がこちらに向かう。
「あ…」
ま、人生こんなもんだ。
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