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バースは己の目を疑った
山賊とはいえ、自分の部下たちは傭兵として戦乱の世を生き抜いた強者達だ。国の正規軍とだって戦える
それがどうだ、今バースの目の前で、その強者達がなすすべもなく蹂躙されている。たった一人の男によって
男の戦いはむちゃくちゃだった
大剣を振るうその動きに技術も糞もない
ただ剛力のまま剣を振る
そのデタラメな剣は部下たちの武器や防具ごと真っ二つにするのだ
人間じゃない
俺はこんな敵を視たことが無い
気がつくと、部下は全滅していた
男がゆっくりと剣をバースに向ける
「っは、上等だぁ。俺もかつては名を馳せた傭兵、簡単にはやられねぇよ」
腰の得物を抜き放つ
鈍くくすんだ肉厚の刃がギラリと光った。
最初に仕掛けたのは男の方だ
剛力で無造作に振るわれた剣がバースに襲いかかかる
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