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サラサラと風になびく美しいブロンドの髪に、通行人はまず目を奪われる。
そして皆その見事な髪の持ち主の女性が人形のように整った顔立ちをしている事に気がつき、心まで奪われるのだ。
クリスティアナ・ルドーク
最強の魔術師である彼女は、自身が旅人である事など微塵も感じさせぬほどの優雅さで、見知らぬ街を闊歩していた。
(ふむ、特筆すべき所も無いつまらない街ですわね)
退屈
彼女を支配するその感情を打破する為に出た旅であったが、今のところ何の成果もあげられていないのだ。
ふと思い立ったクリスは、適当な通行人に声をかける
「そこのお人、少し宜しいかしら?」
「は、はい!?なんでしょうか」
クリスの美貌にボーッと見とれていた通行人の男は、慌てたように返事をする。
「この街で伝承や伝説などに詳しい人物をご存じありませんこと?」
「ええと、そんな人に心当たりは無いですが、図書館に行けば何かわかるかと」
「まあ、この街には図書館がありますの?」
クリスは目を丸くした
図書館とは知識を求めるものが利用する場所、生きる事に精一杯なこのご時世、図書館がある街は珍しい
「図書館と言っても個人で経営している小さなものですけどね」
「構いませんわ、その図書館の場所を教えて下さる?」
男から図書館の場所を聞いたクリスは、その場を後にするのだった。
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