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◇
かつて人の身でありながら災害と恐れられた騎士がいた。
漆黒の鎧に身を固め、背丈の倍はあろうかという大剣を振るうその姿はまさに悪鬼
100万の敵軍に悪鬼が一匹
飛び散る鮮血に自身のモノは無く、ただ敵の血が漆黒の鎧を紅く染める
大剣を振るえばまさに無双
気がつくと死体の山の頂上に佇むは悪鬼が一匹
彼の力を恐れた味方の兵たちは、疲れはてた悪鬼を捕らえ、地下深くの牢へと幽閉した。
昔々の物語
◇
「その悪鬼が捕らわれているのがこの街の西にある棄てられた牢だという話しじゃが、その近辺には狂暴な魔物が闊歩しており、近づけん」
故に伝説を確かめる事は出来ず、伝説はあくまでも伝説として受け継がれる
「さて、あんたはこんな話を聞いてどうしようと・・・」
男が顔をあげると既に女の姿は無く、ただ陽光に照らされた細かなホコリがキラキラと輝くのであった。
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