27~Twenty seven ~

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27~Twenty seven ~

 ~はるか~  あれから約10年が経った。仕事も安定してきて、今は何というかとても楽しいと感じていた。そんなときだった。私のところに突然ブランドのイメージガールの仕事の依頼が来た。私は緊張していた。こんな大きな仕事をさせてもらえるのは初めてだったから。とにかくうれしかった。 そして、日を改めてそのブランドの本社に呼ばれたときなんか、もう心臓がはじけるかと思うくらいだった。特にびっくりしたのは、高2の時にフランスに留学したはずの拓真がこのブランド会社の社長になっていたという事だった。  「まさか、花宮さんをイメージガールに選んでいたとはね……」そう、秘書に言った。拓真も少し驚いたようだった。 「ああ、はい。あんな感じの華やかで、明るくて、美人な方の方が我が社にはぴったりかと思いまして」 「確かに。良いセンスかもな」 「社長が誉めるなんてなんか新鮮ですね……何かありました?」秘書は遠慮なく聞いてきたが拓真は答えたようだった。 「実は、彼女…………」  「あーあ、疲れたー」何というか今日は緊張して、気持ちに押しつぶされそうだった。私にこんな大役できるのだろうかと不安になるくらいの大企業のブランドだ。まあ、やってみるか。今はなぜかそんな気持ちになれる。 「よし、明日も頑張るかー!とりあえずビール飲むか」そう言って私は、冷蔵庫から出した冷えたビールの缶のプルトルに手をかけ勢いよくあけた。  プシュッ! 良い音を立てて缶が空く。 そして私はひと口飲んだ。やっぱり冷えたビールは最高だ。そう思って、もうひと口飲んだ。 途端に、スマホにメッセージが届いた。 高校時代の親友であった、朱里からだった。朱里は私の秘密を知っている。だから何でも相談できる。  『ねーねー、大学の同窓会のお知らせ届いた?』 そう書かれていた。 ん?同窓会?そんなのあったかなー?そう思って、送られてきた手紙の山をくまなく見てみた。最近、忙しくて手紙も見れてなかったから。 『うん、届いたよー』 メッセージを送り返した。すぐにメッセージが返ってきた。 『行くよね?』 『もちろん行くつもりだよ!朱里は?』 『私も行くよ!久しぶりにみんなに会いたいし』 『だよねー』 『でも私は拓真に会いたいなー(笑)』 『あー、そっかー朱里好きだったもんね、拓真のこと(笑)』 『何その冷やかしみたいな言い方ー』 『そう言うはるかは?』
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