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うわっ、ざっくり聞いてくるな。そう思ったが、素直に答えた。
『好きだったよ、てゆうか今も好きー』
そう送ってみた。
『そう言うと思ったー』
『だって、拓真が高2の時転校するって聞いたときの、はるかの顔すごく切なかったもん』
『え?もしかして見られてた?恥ずかしいー』
『見てたけど、あえてふれなかった』
『親友の思いやりだよ(笑)』
『ありがとー』
『いいのいいの、で?再会できたの?彼と』
『うーん。それは内緒かな』
『あー、もしかして再会したんだー』
『いいなー』
朱里、意外と鋭いな。そう思った。
『じゃあ、同窓会でねー』
『うん!バイバーイ』
最後にスタンプを押して会話が終了した。
プルルルルッ……プルルルルッ……
会話が終わったかと思ったら今度は電話だった。
知らない番号からだ。少しは警戒しなければいけないのだが、私はすんなり出た。なぜなら、彼な気がしたから。
「……はい。もしもし…」
私から話し始めた。
『あ、拓真。さっきもらった名刺から電話してみたんだけど今よかった?』
「うん!全然平気だよ」
『よかったー。あ、あの時いなくなってごめんな。親の都合で急に行くことになっちゃってさ、フランス』
「全然いいよー。そんなこと、気にしてないから」
『そっかー、よかったー。はるかと電話で何か話せるだけでなんかうれしい。すごい久しぶりだね』
「うん!てゆうかさ、この前すごくびっくりした。まさか社長になってたとはね」
『それはこっちの台詞だよ(笑)!社員が連れてきたのがお前ってすごい奇跡だよ(笑)』
「確かにね!モデルなんかするつもりなかったんだけどね」
『じゃあ、どうして』
「なんかさー大学生の時に、朱里と出かけて、遊びに行ったときスカウトされて」
『そうなんだ!やっぱり奇跡だよ』
「ふふふっ、じゃあそう言うことにしとく。あ、今度どっかで会おうよ」
『うーん、仕事が無ければね。ま、なるべく行きたいけど。じゃあ今度うちおいで、すごい広いから』
「うん、わかった!じゃあね」
そう言って、電話を切った。
きっと彼は私が自殺していなかったのだと思っているのだろう。
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