27~Twenty seven ~

2/6
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
うわっ、ざっくり聞いてくるな。そう思ったが、素直に答えた。 『好きだったよ、てゆうか今も好きー』 そう送ってみた。 『そう言うと思ったー』 『だって、拓真が高2の時転校するって聞いたときの、はるかの顔すごく切なかったもん』 『え?もしかして見られてた?恥ずかしいー』 『見てたけど、あえてふれなかった』 『親友の思いやりだよ(笑)』 『ありがとー』 『いいのいいの、で?再会できたの?彼と』 『うーん。それは内緒かな』 『あー、もしかして再会したんだー』 『いいなー』 朱里、意外と鋭いな。そう思った。 『じゃあ、同窓会でねー』 『うん!バイバーイ』 最後にスタンプを押して会話が終了した。 プルルルルッ……プルルルルッ…… 会話が終わったかと思ったら今度は電話だった。 知らない番号からだ。少しは警戒しなければいけないのだが、私はすんなり出た。なぜなら、彼な気がしたから。 「……はい。もしもし…」 私から話し始めた。 『あ、拓真。さっきもらった名刺から電話してみたんだけど今よかった?』 「うん!全然平気だよ」 『よかったー。あ、あの時いなくなってごめんな。親の都合で急に行くことになっちゃってさ、フランス』 「全然いいよー。そんなこと、気にしてないから」 『そっかー、よかったー。はるかと電話で何か話せるだけでなんかうれしい。すごい久しぶりだね』 「うん!てゆうかさ、この前すごくびっくりした。まさか社長になってたとはね」 『それはこっちの台詞だよ(笑)!社員が連れてきたのがお前ってすごい奇跡だよ(笑)』 「確かにね!モデルなんかするつもりなかったんだけどね」 『じゃあ、どうして』 「なんかさー大学生の時に、朱里と出かけて、遊びに行ったときスカウトされて」 『そうなんだ!やっぱり奇跡だよ』 「ふふふっ、じゃあそう言うことにしとく。あ、今度どっかで会おうよ」 『うーん、仕事が無ければね。ま、なるべく行きたいけど。じゃあ今度うちおいで、すごい広いから』 「うん、わかった!じゃあね」 そう言って、電話を切った。 きっと彼は私が自殺していなかったのだと思っているのだろう。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!