第三話 『奪われた命』

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「はいはい、わかってるよ。もう一本ね?」 よく噛むんだよ……と、いいながら慎一はおまけして二本出してくれた。 その好意に感謝しながら、私は二本のジャーキーを一気に口にする。 凝縮された肉の旨味を噛み締めながら、横目で慎一の顔を見た。 きっと呆れているのだろう……と、思っていたのだが、どこか彼の顔色が冴えない。 ゴクリと飲み込み、おや? と、私は顔を上げた。 ひょっとして、職場で何かあったのですかね? 何だか、殺人事件の第一発見者になったとか…… この間、そんなことを話していたのは覚えていますが、そのときはむしろ興奮気味だったんですけどね。 不思議に思っていると、慎一はしゃがみ込んで私の頭を撫でた。 「ダイフク……ごめんね。しばらくは家の周辺でしか散歩出来ないかも」 えぇ? と、私は口を半開きにさせたまま固まった。 一体どういうことですか? .
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