第1章

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差し出されたコーヒーを一口啜った。 苦味が口に広がる。 胃が悪い山口にはきつかった。 「キリマンジャロのひきたてだからね~」 後ろで三鷹建築の名物事務員、羽田の声がした。 「はい、ありがとうございます」 軽快な口調と愛想笑いを振りまくが その後に続く言葉は無かった。
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