第1章

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外回りを終え、会社に戻った山口は頃合いを見て上司の木田に声を掛けた。 「木田支店長。相談よろしいでしょうか?」 木田がデスクから山口に目を向けた。 「三鷹建築さんに今日行ってきたんですがどうも閑散としている感じで仕事が少ないようです」 「うん。それで」 木田が山口の真意をさぐるように 答えた。暗にだからどうした。そのニーズを作るのが営業マンの仕事だ。そういいたそうなそぶりだった。 「調査をしてもらえませんか?」 木田が怪訝そうな表情を浮かべた。 「何だ。そんなにやばいのか?」 「一応心配なので」 「分かった。債権はどれぐらいある?」 「300万ぐらいです」 「来週中には、レポートが出る。 山口はいつも通り定期訪問を頼む」
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